STEAM PLACE

エンジニアリングとマネジメント

明日来るから卒業し、明日へ向かって行く

これはいわゆる退職エントリーでもあり、入社エントリーでもある。

退職エントリーというものを書くかはとても迷ったが、次の理由から筆を取ることにした。1つは、会社の名前を掲げて活動をしていたこと。会社のブランディングのために強く会社名を打ち出すようしていた。そのため、自身の退職についての説明責任があるように感じた。2つは、自分ログを残したいと思ったこと。なぜ転職したのか、何を成し遂げたいのかを、未来の自分が今の気持ちを忘れないように残しておこう思う。

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アスクルでの思い出

私がアスクル株式会社(以下、アスクル)に入社した当初はエンジニアリング組織をこれから作るフェーズだった。大きな会社での組織作りと魅力的なプロダクトに惹かれてアスクルに入社することを決めた。アスクルに入ってからは激動の日々が続き、今日までが一瞬にして過ぎ去った気がする。

アスクルは私にとって最高の環境だった。大企業ながらもベンチャー企業のようなダイナミックでスピーディーな組織文化と、地に足がついたしっかりとした組織文化が調和していた。これにより、刺激的なプロダクト開発とともに、組織マネジメントを深く学ぶことができた。

開発者としては、ロハコというプロダクトをずっと作っていた。マーケットプレイスシステムを作ったり、注文システムをフルリニューアルしたりと、チャレンジングな案件に関わることができたのは技術者として学びが多かった。マネージャーとしては、エンジニアリング組織を作るという未知なる道を一歩一歩進んでいたのかなと思う。このことについては過去記事で詳細にまとめている。

dskst9.hatenablog.com

ここに記していることは、アスクルの組織としての成果であり私個人のものではない。私がしたことは小さなアクションであり、組織が変わろうとする意思を持っていたことが大きな成果に繋がったのだろう。また、組織内を越境しまくる私に対してつまらない理由で止める人は誰もいなかったように、アクションする人を応援する文化あったと感じていた。今も、そしてこれからもいい会社だと思う。

アスクルで働いて、出会えたすべての人に感謝したい。技術の楽しさを再認識させてくれた。そして、マネジメントの楽しさに気付かせてくれた。ありがとう。

なぜやめるのか

アスクルのエンジニアリング組織とプロダクトは新たなフェーズに入ったことを肌で感じている。エンジニアリング組織には、新卒エンジニアも入社して確実に組織の階段を一つ二つと登っていっているように感じる。そしてプロダクトでは、長らく開発したロハコを離れて新しい局面に入ってきた。

この状況が私のチャレンジ精神を刺激したのではないかと思う。というのは、いい意味で私がいなくても組織は成長するし、プロダクトは開発されていくことがわかっていた。今こそ、私はもっと別の「何か」にチャレンジをしたいと考えた。

「何か」については後述をするが、この何かに対する達成欲が強くなっていったのだろう。

これから何をするか

さて、これから「何を」するかだ。私がやりたいと思うことは次の2つだ。

  • 挑戦的なプロダクト作りをしたい
    特定の分野で一番のプロダクトを目指すような、挑戦的で難易度が高いプロダクト開発こそエンジニアとしてのやりがいを感じる。
  • 全社組織作りをしたい
    エンジニアリング組織だけではなく全社組織の視点での組織作りは、マネージャーとして経験しなければならない。

次にチャレンジすることを考えていた時に、ベンチャー企業である 株式会社Showcase Gig に出会った。モバイルオーダーとテーブルオーダーという挑戦的なプロダクト。急成長する組織では広範囲で多岐にわたるアクションが求められる。まさにやりたいものがそこにはあったと感じた。

モバイルオーダーはOMOという分野であり、飲食店やPOSレジと連携するプラットフォームはウェブだけではなくリアルと融合する。その難しさについて同社のCTO石亀さんは次のように語っていた。

引用: 日常の消費体験に変革をもたらす「オンラインとオフラインの融合」への挑戦 - BINAR[バイナー]

例えば、スマートフォンのWebブラウザやアプリから商品を注文すると、インターネットを通して店舗へ注文内容が届く。次に、店舗に置かれているキッチンプリンターから商品名が書かれた紙が印刷され、調理担当者がそれを受け取る――ここまでが、「注文」という行為の一連のトランザクションであり、途切れさせることができないのです。途中で止まってしまうようなら「どこでエラーになってしまったのか?」「どこまでロールバックしないといけないのか?」を考え、店員のオペレーションを含めた店舗現場の有り様を、自分たちでシステムに落とし込むしかない。

〜中略〜

そうして全体のアーキテクチャを考え積み上げていくのが、O:derというシステムを開発する難しさであり、面白さです。すべてがぴたりとはまった時のピタゴラスイッチ感。現実世界とインターネットがリンクする爽快感は、他では得ることのできない大きな魅力です。

リアルを扱うというのは過去に電子チケットの開発でも味わったことがあるが、難易度が高くとてもやりがいを感じる。そして何よりも顧客が身近なことが魅力的だと思っている。

もっともっと技術とマネジメントを学んで組織に貢献していきたい。
一番のプロダクトと最強の組織を目指して、明日からも頑張るぞ!