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エンジニアリングとマネジメント

『エンジニアリング組織論への招待』はおもしろかった

タイトルだけで絶対におもしろいと思い、即買いしてしまった本です。  

エンジニアリング組織論への招待 ?不確実性に向き合う思考と組織のリファクタリング

エンジニアリング組織論への招待 ?不確実性に向き合う思考と組織のリファクタリング

 

広木さんもサピエンス全史の4倍おもしろいと言っていましたw

 

感想

ここ数年の組織や技術に関する事項の総集編といった内容でした。

私自身勉強していることや、自分の中でモヤっと理解していたことが、明確な論理で書かれています。読み進めると自分の頭がスッキリとクリアになっていく感じです。

エンジニアリングな組織論というのは、これからの日本社会に重要なことだと思います。なぜ、日本はITで遅れてしまったのか?こういった考え方が組織に浸透していないからではないのかと。

エンジニアリング組織論が大組織に浸透していけばいいなと思います。

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ふりかえり

Chapter1 思考のリファクタリング

不確実性とは?エンジニアリングとはなんなのか?というのを教えてくれます。

エンジニアリングとは「実現」の科学

不確実な何か、役に立つ何かを実現することがエンジニアリングであるということが書かれています。

エンジニアリングの本質が「不確実性の削減」であることに気づかずにいると、確実でない要求仕様にフラストレーションを抱え、確実でない実現手段にストレスを感じ、確実なものを確実な手段で提供したいというような決してありえない理想を思い描いて、苦しい思いをすることになってしまいます。

確かに理解すると、それこそがやるべきことなんだと腹落ちします。

Chapter2 メンタリングの技術

人間の不完全さの影響を減らすためにはメンタリングが必要です。

様々な理論に基づきメンタリングの説明から方法が書かれています。1on1などコミュニケーション方法論を勉強している方も、さらに学びが深まると思いました。

 ちょっと話が逸れますが、ヤフーの1on1もいい本です。

ヤフーの1on1―――部下を成長させるコミュニケーションの技法

ヤフーの1on1―――部下を成長させるコミュニケーションの技法

 

 Chapter3 アジャイルなチームの原理

アジャイルはチームをメンタリングする技術。アジャイル開発は経営学。
この言葉がとても印象的です。

私自身スクラムマスターとして活動してもいましたが、歴史からも深く知るとスクラムをさらに楽しめそうです。

Chapter4 学習するチームと不確実性のマネジメント

いかにして不確実性を管理するのかというテーマです。

スケジュールの立て方や見積もりについて、理論的に説明するとともに手法を説明してくれます。私もよくやる2点見積もりの話も出てきます。

 

dskst9.hatenablog.com

 Chapter5 技術組織の力学とアーキテクチャ

生産性とは何なのか?

技術的負債とは何なのか?

そして、組織とシステムはどうなっていくべきなのか?

最後に

ここ数年、もがきながら色々トライしていたことが全て綺麗にまとまっているなと感じました。

それと同時に、自分ではまだまだできていないことを、しっかりとやっていけているという人々、組織があるんだと思うと世界の広さを感じます。

 

マネジメントをしている方、
非エンジニアリングの方、
経営者の方、

是非、 エンジニアリング組織論への招待を読んでみてください。